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第五十回:FRP製品の真実~GFRPとCFRPの違い

株式会社 FRPカジ メールマガジン

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┏┏┏┏ ハンドレイアップGFRPの真実

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2025年6月2日

 

第五十回:FRP製品の真実~GFRPとCFRPの違い

 

<目次> ━━━━━━━━━━━━━━━━

 

・FRP製品の真実~GFRPとCFRPの違い

 

 

前回のメルマガではGFRP 理解はじめの一歩として、この材料の基本的な特性についてご紹介しました。

 

 

今回はGFRPとCFRPの違いについて、初心者の方にもわかりやすくまとめましたので、ぜひご一読ください。

 

 

【GFRPとは】

 

まず、GFRP(Glass Fiber Reinforced Plastic)についておさらいします。

 

GFRPは、ガラス繊維を樹脂で固めた複合材料です。

プラスチックだけでは得られない強さや耐久性を、ガラス繊維によって補っています。

 

▶ 特徴

 

・軽量で強度が高い

 

・耐食性、耐薬品性に優れている

 

・成形しやすく、コストも比較的安価

 

▶ 主な用途

 

・工場の薬品タンクや配管

 

・建築・土木分野の補強材

 

・各種産業機械部品 など

 

 

【CFRPとは】

 

続いて、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastic)です。

 

CFRPは、カーボン(炭素)繊維を樹脂で固めた複合材料です。

ガラス繊維に比べて、さらに軽量で非常に高い強度と剛性を持っています。

特に剛性(弾性率)において、炭素繊維はガラス繊維の数倍以上になります。

 

▶ 特徴

 

・きわめて軽く、きわめて強い

 

・剛性(たわみにくさ)が非常に高い

 

・疲労強度に優れるが、コストは高価

 

▶ 主な用途

 

・航空機や宇宙機器の構造部材

 

・高級車やレーシングカーの部品

 

・ゴルフクラブや自転車フレームなどスポーツ用品

 

 

【GFRPとCFRPの違いのまとめ】

 

GFRPとCFRPは、どちらも「繊維を使ってプラスチックを強くした材料」ですが、使われている繊維が異なります。

 

GFRPはガラス繊維を使用しており、「軽くて、強く、耐食性が高い」という特長があります。

コストも比較的安価で、工場設備や建築資材など、幅広い分野で活躍しています。

 

 

CFRPはカーボン(炭素)繊維を使用しており、「非常に軽く、非常に強く、剛性が高い」という特長を持っています。

そのため、航空機やレーシングカーといった、高性能が求められる分野で使われますが、価格は高価です。

 

まとめると、

 

「コストを抑えて幅広く使いたいならGFRP」

 

「最高性能を求めるならCFRP」

 

と覚えていただくとわかりやすいでしょう。

 

 

【身近なGFRPとあまり身近でないCFRP】

 

CFRPで身近なものはゴルフシャフトか釣り竿くらいでしょうか。

航空機やレース車両はそれほど周りにあるものではないのでCFRPとの距離はやや感じます。

 

その一方でGFRPは身近です。

特に身近なものとして射出成型によって作られるプラスチック成型品やマット形状のSMC(Sheet Molding Compound)があります。

前者はガラス繊維を数mm以下のサイズにして混ぜた熱可塑性樹脂のペレットを、

射出成型機と呼ばれる機械を使って高温・高圧で金型に打ち込むことで形を作ります。電気電子部品はその代表例でしょう。

後者の代表例は浴槽や浴室です。ある程度の繊維長をもつガラス繊維と樹脂を座布団のように一体化させ、それを熱した金型で押すことで成形します。

 

さらにGFRPが、耐腐食性の求められる化学工場などで用いられることをご存じない方も多かったかもしれません。腐食した下水管を内部から補強して更生させる管更生にGFRPが使われていることも、日本のインフラ劣化問題の顕在化に伴って知られるようになってきたと感じます。

 

・関連するコラム

インフラ老朽化課題解決に向けたFRP適用の可能性【FRPエンジニアによるコラム】より

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CFRPと違い、GFRPは身近なインフラや工場の構造物、並びに日々触れ合うものの中にも多く存在するといえるのではないでしょうか。

 

 

【まとめ】

 

GFRPとCFRPは、どちらも現代社会を支える重要な材料です。

目的や条件に合わせて最適な材料を選ぶことが、FRPの力を最大限に生かすカギとなります。

 

 

今号ではGFRPとCFRPの違いについて、初心者にも分かりやすくご説明させていただきました。

これからもFRPカジは、素材の特性を深く理解し、最適なソリューションを皆様にご提案してまいります。

 

 

次号ではGFRPとCFRPの違いについて深堀りしてご紹介します。

 

 

FRPを取り扱っている方や今後取り扱いたい方にとっての一助となれば幸いです。