株式会社 FRPカジ メールマガジン
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┏┏┏┏ メッキ/表面処理設備長寿命化のための
┏┏┏┏ 補修/改修へのFRP活用の基礎知識
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2020年7月1日
第十四回:劣化したピット改修/補修を目的としたFRP適用法2
目視・硬度・寸法検査による劣化診断
<目次> ━━━━━━━━━━━━━━━━
・「補修/改修へのFRP活用の基礎知識」
<補修/改修へのFRP活用の基礎知識> ━━━━━━━━━
前回のメルマガでは劣化したピット改修/補修を目的としたFRP適用法1として、
改修/補修の方向性についてご紹介しました。
今回は劣化したピット改修/補修を目的としたFRP適用法2として、
目視・硬度・寸法検査による劣化診断について取り上げたいと思います。
第九回メルマガにおいてFRP槽改修/補修を目的としたFRP適用法2 として、
目視・槽膜厚・硬度・寸法検査による劣化診断をご紹介しました。
検査内容としては似ていますが、
槽ピットの場合は母体のコンクリートとの兼ね合いも考慮しなければいけません。
【目視検査】
目視検査はどの分野においても製造工程や出荷工程等に必要不可欠な方法の一つですが、
劣化診断においても1番大事な方法と言えます。
当社の専門技術者たちは、
FRP材を用いたライニング・オーバーレイをメッキ工場等で施工するにあたり、
FRP材料やコンクリート母材を目視する機会によって培われた経験を通じ、
正常なFRPライニングとは何かということについてその本質を理解し、
さらに多くのFRPライニングに関する画像が目に焼き付いています。
そのため、目で見たFRP材料とコンクリート母材の接着状態等によって劣化状態を判定することが可能です。
その一方で本目視検査を行うにあたって問題のあるFRPライニングもあります。
その一つが
「FRPライニングの着色」
です。
着色が無い状態で透明性が確保され、
かつボイドや剥離などの劣化状態を目視にて確認できる状態であれば補修の方法を容易に決定できます。
その一方で着色されているとFRPライニングそのものが不透明となり、
結果としてFRPライニングとコンクリート母材間の剥離やボイドの判定が困難となることから、
ライニング部をかなりの広範囲にわたって剥がした上で目視確認する必要があります。
FRP防水業者等が施工する際に、ライニング表面を着色するのが当たり前の定常作業になっていることに加え、
FRP施工業者の中には、ボイド等の外観不良を隠すことを目的に着色作業を行うケースが見受けられ、
これらがFRPライニングに着色が行われる背景となっています。
いずれにしても、FRP材質を目視した際に感じる感覚的な相違が劣化診断の基本ですが、
数値化が困難な場合も多い劣化を検知するために有力な手法の一つです。
【硬度検査】
GFRPの品質管理で多く使用される測定方法です。
当社ではバーコール硬度計によりバーコール硬さを計測し、
計測最大値を読取ります。
これにより新規にFRPライニングした際の基準範囲よりどの程度下回っているかで、
腐食度合いを定量的に把握します。
硬度が低いということはマトリックス樹脂が溶解し、
ガラス繊維の比率が高まっていることを示唆しています。
正常時バーコールは35~50ですが、
15以下の値ですと危険信号となります。
腐食が激しい場合は0の値を示す場合もあります。
このようにバーコール硬さが0に近いような値を示す場合、
コンクリート母材まで薬液浸透等による劣化が進行しているという判断が必要となります。
【寸法検査】
コンクリート母材からの剥離によるFRPライニングの膨れ・割れ等に由来する寸法差異を実測します。
図面がない場合、目視検査同様に長年の経験を有する当社の専門技術者の感覚を頼りに、
当該FRPライニング部を目視して形状の変形や歪み等の変化を読み取ります。
このような変化を複数個所計測の上、これらの差異を把握することで、
劣化による形状変化を検知することを目指します。
上述した検査を行う事による劣化診断は、
FRPライニングに関する劣化状態の早期把握につながることから、
必要に応じた迅速な対応を行えばメッキ/表面処理設備長寿命化を可能にするアプローチのひとつと考えます。
定期的なメンテナンスの一部として劣化診断を組み入れることで、
液漏れや腐食によるライン停止、操業停止を未然に防げることから、
長い目で見た場合、コスト削減にもつながります。
当社では「改修/補修工事の前段階での劣化診断」に関する高まるニーズにお応えすべく、
当社R&Dセンターの技術相談事業にて対応させていただいております。
次号メルマガでは、劣化したピット改修/補修を目的としたFRP適用法3として、
改修案・補修案提示について取り上げたいと思います。
設備の老朽化や更新にお悩みの方にとっての一助になれば幸いです。