株式会社 FRPカジ メールマガジン
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┏┏┏┏ ハンドレイアップGFRPの真実
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2023年4月3日
第二十四回:FRP製品製造工場の真実~特別有機溶剤スチレン使用の環境作り
<目次> ━━━━━━━━━━━━━━━━
・FRP製品製造工場の真実~特別有機溶剤スチレン使用の環境作り
<FRP製品製造工場の真実~特別有機溶剤スチレン使用の環境作り>
前回までのメルマガではFRP製品製造工場の真実~特別有機溶剤スチレンの取り扱い方法についてご紹介しました。
今回のメルマガではFRP製品製造工場の真実として、当社が実施した脱スチレンに向かうための環境作りについてご紹介します。
【労働基準監督署の指摘に対しての対応】
前回と重複いたしますが、
労働基準監督署の方による立ち入り調査で、
当社工場で使用するGFRPマトリックス樹脂にスチレンが含有されていることについて確認が行われました。
そこで、スチレンは特別有機溶剤の一種であり、特に必要な対応を迫られたのは下記となります。
・局所排気設備の設置運用と管理
・保護具の使用
・作業記録作成
・作業環境測定
・有機溶剤健康診断受診
・有機溶剤主任者の設定
指摘に対応するため、当社としては以下のような対応を行いました。
1. 防毒マスク等の保護具の選定
・労働安全衛生法に基づく国家検定規則品の使用
2. スチレン含有マトリックス樹脂暴露時間の抑制を中心とした使用手順の見直し
・成形時間が長時間にならないように工程の見直し
・マトリックス樹脂への硬化剤混練作業を成形場所から離れた位置に設定
3. 工場内でのスチレン拡散防止
・局所排気装置による工場内風流の成形場所等の位置を踏まえ変更
・未使用時のマトリックス樹脂容器(一斗缶)の口を蓋で密閉
4. 局所排気を目的とした作業現場レイアウトの変更
・成形物の大きさや形状により、効率的な局所排気が可能なレイアウトに変更
また、現場の区画整理を行い、
スチレン含有のマトリックス樹脂を使うエリアとそうでないエリアを分けることで、
スチレンの使用制限が厳しくなる事態への備えも開始しました。
合わせてスチレンが含有されていない、
いわゆるノンスチレンタイプのマトリックス樹脂の採用検証業務開始に備え、
工場内倉庫の一部をノンスチレン樹脂研究開発室として改修しました。
ノンスチレン樹脂成形加工トライアルや成形体の基本物性取得等の技術評価も、
当社のR&Dセンターで開始しています。
これを期に、従業員の命やその家族を守るためにも特別有機溶剤をそもそも使わないという選択肢について、
検討を加速したいと考えています。
次号メルマガでは、FRP製品の真実~半世紀後のFRP製品として、
当社が半世紀前に製造されたFRP製品に対し、
どのような対応をしたかについて取り上げたいと思います。
FRPを取り扱っている方や今後取り扱いたい方にとっての一助となれば幸いです。