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FRP製品を笑顔と共に

アルミダイカスト製品の 内部欠陥探傷と形状検査(発行日:2020年4月15日 PRESS RELEASE 008) 

「アルミダイカスト製品の内部欠陥探傷と形状検査」に関するpdf資料はこちら。

 

 概要

株式会社FRPカジ(神奈川県足柄上郡山北町 代表取締役:梶山 礼子 以下、「当社」)は、専門的な技術評価を行う部門であるR&Dセンターにて、専門的な検査や各種材料評価を行う「技術評価受託事業」を行っています。

当社のR&Dセンターでは、X線CTによる非破壊検査や形状検査といった受託検査に対応しています。依頼対象物としてはFRP(Fiber Reinforced Plastic:繊維強化プラスチック)が主体ですが、金属製品の検査にも対応しております。

アルミダイカスト品の検査を例に、当社での受託検査について述べます。

 当社R&Dセンターの有する検査機器

アルミダイカスト製品に関連するニーズのある検査として、非破壊検査による内部欠陥探傷と、製品または鋳型の形状検査です。当社では以下のような設備を導入し、柔軟かつ適切な検査依頼に対応しています。

・ X線CT検査装置: NAOMi-CT 002L

高エネルギー電磁波であるX線の透過特性が密度によって異なることを応用し、密度の異なる空洞等の内部欠陥を画像の濃淡により検知します。サンプルを回転させながら得られたX線透過画像をアルゴリズムによって再構成することで、三次元形状でどこに内部欠陥が存在するかを画像に加え、空洞解析により判断します。

※最大計測サイズ:φ300 × H320mm

・ 三次元寸法測定機: FAROBlu HD/ Quantum E 2.5m 7-Axis

ブルーレーザーを用いた非接触測定が可能で、複雑形状物に対しても真円度、輪郭度、平行度、垂直度といった形状データを取得可能です。精度が必要な部分は接触式にて測定します。

※検査室環境: 22℃/50%RH(PAP10A1-Kにて管理)

X線CT測定機によるアルミダイカスト品のひけ巣、空孔の探傷

アルミニウムが、溶融状態から凝固する際の体積変化を補完できずに発生するひけ巣、鋳型に鋳込まれる際に空気等が溶湯に巻き込まれるなどして発生する空孔は内部欠陥となることが多く、目視での検知困難です。当社では、これらのひけ巣、空孔の探傷はX線CT測定機を用い、以下の手順で行います。

1. 製品のスキャンを行い、画像データを取得。

2. 得られたデータを空洞(欠陥)検出ソフトで読み込み、空洞検出精度を最適化するため、CT値、空洞体積の最大値、最小値等のパラメータについて、解析画像を確認しながら設定(右上図参照)。

3. 上記要件にて空洞検出解析実施し、 空洞数やその体積比率を数値で報告。また各空洞について、体積ごとにカラー表示。

実際の画像を確認しながら検出パラメータの最適化と空洞検出を行うため、空洞検出精度のばらつきを低く抑えることができます。右図に示すような各断面、並びに立体図にて体積ごとに色分けされた空洞の位置の把握が可能です(図中、黄色の矢印で示したのが代表的な空洞例)。

※測定依頼費用:60,000円~/1試料 (消費税等別)

提出内容:空洞解析結果(空洞数、体積比)、断面画像、スキャン動画等

 

三次元寸法測定機によるアルミダイカスト品や鋳型の寸法検査

アルミダイカスト品の寸法は鋳型のキャビティー形状によって支配されるため、当該型の寸法は重要です。加えて、鋳物自体の冷却時の収縮や脱型時のゆがみ、型ずれといった事象の発生の可能性もあることから、アルミダイカスト品の形状測定を行うケースもあります。当社では、三次元測定機を用い、以下のような検査を行うことが可能です。

1. 三次元寸法測定機を用い、鋳型やアルミダイカスト品のスキャニングを行い、ポリゴンデータ(stlデータ)を取得。

2. 鋳型、アルミダイカスト品の寸法や形状測定を、専用の解析ソフトを用いて実施。

3. (鋳型とダイカスト品のポリゴンデータがある場合)鋳型とダイカスト品のモデルについて照合計算を行い、形状差異をコンター図で表示(右図参照)。

鋳型のキャビティー形状が妥当かということに加え、その鋳型で成型されたアルミダイカスト品の形状が狙ったものなのか否かについて定量的な検証をすることが可能となります。

※測定依頼費用:40,000円~/1試料 (消費税等別)

提出内容: 検査成績報告書、計測結果のstlデータ、照合計算結果等

 

※検査をご依頼方法等については、当社HP(https://rd.frpkaji.co.jp/)の“技術評価受託業務ご依頼までのステップ”をご覧いただくか、問い合わせページより直接お問い合わせください。