株式会社 FRPカジ メールマガジン
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┏┏┏┏ ハンドレイアップGFRPの真実
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2023年2月2日
第二十二回:FRP製品製造工場の真実~特別有機溶剤スチレン
<目次> ━━━━━━━━━━━━━━━━
・FRP製品製造工場の真実~特別有機溶剤スチレン
<FRP製品製造工場の真実~特別有機溶剤スチレン>
前回までのメルマガではFRP製品の真実として硝フッ酸槽の劣化と不適切な補修並びにその対策について全4回にてご紹介しました。
今回のメルマガではFRP製品製造工場の真実として、特別有機溶剤スチレンについてご紹介します。
【FRP製品製造工場における有機溶剤】
GFRPをしようして耐薬品タンク等の耐食機器を製造するメーカーや、
一般成形品を製造するメーカーにて共通して使用する材料等には代表的な有機溶剤として下記3点が挙げられます。
-アセトン
-メチルエチルケトン
-スチレン
それぞれの有機溶剤の主用途を以下に記します。
〈アセトン〉
成形によるローラーや刷毛に含浸したマトリックス樹脂の洗浄や製品や型の脱脂に使われる事が多いです。
〈メチルエチルケトン〉
ハンドレイアップで成形するGFRPのマトリックス樹脂は主に熱硬化性樹脂です。熱硬化性樹脂は主剤のほかに、促進剤と硬化剤が必要で、
このうち硬化剤に含有されています。
〈スチレン〉
マトリックス樹脂の種類によりますが、主剤に希釈溶剤として30%~50%含有されているものが多いです。
発がん性のおそれがある物質であることから特別有機溶剤に分類されています。
上記の通り、FRP成形品を製造するメーカーでよく用いられる3つの有機溶剤の中でスチレンだけが特別有機溶剤に分類されます。
特別有機溶剤には他にもエチルベンゼン・クロロホルム・四塩化炭素等11種類があり、
いずれも上記の通り発がん性の恐れといった労働者に重篤な健康障害を及ぼす恐れがあるとされています。このため当該有機溶剤を使用するにあたっては、作業記録の作成、健診結果等の記録の長期保存、有害性等の掲示が必要といった対応が必要となる等、規制が強化されています。
今回のメルマガではFRP製品製造工場の真実~特別有機溶剤スチレンについてご紹介しました。
次号メルマガでは、FRP製品製造工場の真実~特別有機溶剤スチレン使用の環境作りとして、当社が脱スチレンに向かう事になった経緯について取り上げたいと思います。
FRPを取り扱っている方や今後取り扱いたい方にとっての一助となれば幸いです。