株式会社 FRPカジ メールマガジン
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┏┏┏┏ ハンドレイアップGFRPの真実
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2021年8月2日
第四回: FRP製品の真実~問題解決策
<目次> ━━━━━━━━━━━━━━━━
・FRP製品の真実~問題解決策
<FRP製品の真実~問題解決策> ━━━━━━━━━
前回のメルマガではFRP製品の真実として色々な問題提起に関してご紹介しました。
今回のメールマガジンでは、前回メルマガにて紹介したFRP製品の問題点に対して、
当社での問題解決策をご紹介させていただきます
一般成形品はFRP成形の中でも基本中の基本でハンドレイアップ法の原点となりますが、
製品の良否判定は外観の目視、寸法検査、ピンホール打診検査等が主流となっています。
前回のメルマガでも述べましたが、耐蝕機器と違い薬液漏洩などの事故につながらないという危機感のなさからなのか、どうしても外観ばかりが重要視されています。
FRPは生産過程において、強化繊維を多重積層するという特殊な製造方法のため、
成形体は方向により強度や弾性率が変化するという「異方性」を有しています。
この異方性を起因とし、FRP成形体においては、内部で表層剥離が発生するため、
外観上は異常の無い製品でも、液漏れや気体漏れ、
破損が発生するという事象が生じやすくなります。
電気電子製品分野や医療・福祉機器分野などにおいて顧客からは、複雑な三次元構造で、
しかも高い形状精度製品が要求されており、複雑な3次元構造の製品を寸法検査できる体制を整える必要があると考えました。
そこで本社工場でのGFRP製品製造とは別に技術相談・技術評価受託を行うための
「R&Dセンター」を開設しました。
R&Dセンターが構築する検査システムはこの業界では革新的な試みであります。
FRP業界においては、JIS規格のような標準化された規格がなく、
職人により感覚的に作製された製品が目視検査のみ、
あるいは検査もされずにそのまま出荷されることが当たり前という風潮があります。
FPRの特質を十分に理解した当社の職人が最新の機械を使って的確・適正に検査することにより、
正確な検査結果を得ることが可能となり、
当社の製品はより高品質、高精度を維持することができています。
さらに、長年の経験によって培われた職人の感覚を「数値化」し、それを統計学も取り入れながら変動幅を予測するなどして、
工程で再現できる公差の定量化も可能となりました。
これにより、競合他社と比較して、技術の伝承精度が向上し、
人材育成期間を大幅に短縮することができ、生産性の大幅な向上が継続的に実現できています。
前回メルマガで触れましたが、
一般成形品の場合は薬液漏洩など目に見える瑕疵がないこともあり、
品質保証に関する意識が希薄なケースが散見されます。
。
このため、製品を納めて数か月から数年後には原因不明の割れ・ひび・剥離などが生じることがあります。
製品内面のボイドにより、ゲルコート面角部などがピンホールや割れを引き起こす、
適正なガラス含有量でないために強度不足となり、ひび・割れ・剥離を引き起こすことがその一例です。
このような問題を回避するため、
当社R&DセンターではX線CTによる非破壊検査により、
依頼元との協議で決めた頻度と図面内容に基づき、
試作品の段階と納品時に、製品内部のボイドやガラス繊維充填不足を確認する検査を行い、
不良品削減に力を入れています。
ガラス含有量に関しても、膜厚計・硬度計・重量計測にて密度計算を行っています。
今回のメルマガではFRP製品の真実~問題解決策についてご紹介しました。
次号メルマガでは、FRP製品製造の真実~チクチク解決策ということについてについて取り上げたいと思います。
FRPを取り扱っている方や今後取り扱いたい方にとっての一助となれば幸いです。