株式会社 FRPカジ メールマガジン
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┏┏┏┏ メッキ/表面処理設備長寿命化のための
┏┏┏┏ 補修/改修へのFRP活用の基礎知識
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2019年9月2日
第四回: メッキ/表面処理設備長寿命化 に効果がある
<目次> ━━━━━━━━━━━━━━━━
・「補修/改修へのFRP活用の基礎知識」
<補修/改修へのFRP活用の基礎知識> ━━━━━━━━━
FRPを用いた補修/改修の対象のアプリケーション例としては、前回までのFRP槽、槽設置ピットに加え、付帯設備における塗装があります。
付帯設備における塗装はFRPによる改修/補修による長寿命効果が望めるアプリケーションの一例といえます。
今回はFRPによる設備長寿命化のアプリケーション例として付帯設備における塗装を取り上げるにあたり、まずはどのような劣化や問題が生じるのかについてご紹介したいと思います。
メッキ/表面処理工場においての劣化や腐食等について、これまでFRP槽、槽設置ピットについて述べてきました。
これらは、あくまでもメッキ/表面処理を行うラインでの範囲でしかなく工場として「ソフト/ハード」で大きく分けるとソフトに該当します。
それに対し、今回ご紹介する付帯設備はハードになります。
工場においてハードと定義される付帯設備は工場建屋全体のことで、
柱・梁・天井・ホイストクレーン・クレーンレール等に加え、
制御盤や扉までがあてはまります。
付帯設備は溶融メッキ工場と電気メッキ/表面処理工場での違いや薬品の違い、
工場の大きさでかなり劣化や腐食は違います。
やはり溶融メッキ工場では大きい製品を扱うので工場は劣化の進行が早く、
よく言われる工場保全のために5年に1回のペースで塗装工事を行っても間に合わない速さで劣化が進行します。
特に劣化が激しい箇所では、硝酸に高温の金属製品が入れられた時に生成される塩を含む高温蒸気が付帯設備を劣化させる要因となります。
この時の塩分濃度は海水の2倍~3倍にも達してしまう上に高温であるため、
フッ素系・エポキシ系塗装を施しても劣化は防げません。
各工場では硝酸や塩酸用にスクラバーを設置して劣化進行の抑制を図っていますが、
やはり完全に全てを処理するのは難しく、
吸い込み口に到達するまでは上述の高温蒸気にさらされる通り道なので、
それらの領域の劣化は避けられません。
電気メッキ/表面処理工場では溶融メッキ工場ほどではありませんが、
やはりラインの設備や柱・梁・天井・ホイストクレーン・クレーンレール等が薬品により劣化が進行し、定期的な塗装を施さないと支障を生じます。
しかし、溶融メッキ工場と比較すると急激な劣化がみられず20年ほど経過しても外観は錆が多く浮いてる程度にしか見えず放置する工場も少なくありません。
上述した付帯設備の劣化により、溶融メッキ工場、および電気メッキ/表面処理工場で、
どのような問題が生じるのかについて述べたいと思います。
【溶融メッキ工場の劣化による問題】
・特に塩分蒸気が発生する付近は急激な劣化が起こるので、ホイストやホイストレールが腐食して落下する危険が伴う。
・劣化により錆や塗装片が薬品槽に落下する。
・天井が高い工場の場合、普段のメンテナンスが細部まで行き届かないので鉄骨が腐食により錆の発生を繰り返すことでミルフィーユ状となり、建屋の倒壊リスクが高まる。
【電気メッキ/表面処理工場の劣化による問題】
・劣化により錆や塗装片がラインの薬品槽に落下する。
・外観上の錆だけで腐蝕判断をするケースが多く、メンテナンス遅れによりホイストやホイストレールをはじめとした付帯設備の腐食が進行して落下等の危険がある。
今回は溶融メッキ工場、並びに電気メッキ/表面処理工場における付帯設備に着目し、
腐蝕劣化のメカニズムやそれによる問題を述べました。
やはりメッキ/表面処理工場においては日々の保全が重要であり、
コスト面でも保全を遅延すればリスクと比例して高まるということをご理解いただけると思います。
経営者側からと保全担当者側からではリスクに対しての費用対効果に差異が生じるので難しい問題ではあります。
このような劣化の問題の解決に対する改修/補修工事の内容については、
今後のメルマガにて詳しく述べていく予定です。
次号のメールマガジンでは改修/補修の具体例として、
FRPによる設備長寿命化の効果が望める「鋼鉄槽FRPライニング仕様」について、槽劣化の特徴も踏まえながらご紹介したいと思います。
設備の老朽化や更新にお悩みの方にとっての一助になれば幸いです。