株式会社 FRPカジ メールマガジン
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2024年3月1日
第三十五回:FRP製品の真実~FRP製耐食機器劣化損傷判定への新たな取組
~耐食機器の性能検査指針から考える劣化診断
<目次> ━━━━━━━━━━━━━━━━
・FRP製品の真実~FRP製耐食機器劣化損傷判定への新たな取組~耐食機器の性能検査指針から考える劣化診断
【FRP製耐食機器劣化損傷判定に用いる公的な性能検査指針】
FRP製耐食機器の中でFRP製耐薬品性タンクやスクラバーに対しての劣化診断は、
国内製造メーカーが多く行っています。
私の知る限り各メーカーの劣化診断方法は、一般社団法人強化プラスチック協会発行
「FRPS C003-2018 ガラス繊維強化プラスチック製耐食機器の性能検査指針」
に則り行われています。
今回はこの指針の概要の紹介と、
当社としてFRP製耐食機器劣化損傷判定として妥当と判断したもの、
検討が必要と考えたものについてそれぞれ述べてみたいと思います。
【ガラス繊維強化プラスチック製耐食機器の性能検査指針の概要】
FRPS C003-2018 ガラス繊維強化プラスチック製耐食機器の性能検査指針(以下、性能検査指針)は、
FRP製のタンクをはじめとした耐食機器の外観目視検査を作業者の力量に依存せず安定的に行い、
当該機器の正常稼働を支援することを目的としたものになります。
損傷等級は“そのまま使用できる”と考える「損傷等級1」から、
“使用を停止して全面補修や取り換え”を提案する「損傷等級4」までの4段階で判断します。
外観検査において異常とみなされる用語の定義も詳細に行われており、
また検査方法として主に外観検査と強度試験の2点の記載があります。
診断後の報告書の基本構成に関する記述もあり、
実務でも有益な情報が多く含まれているという印象です。
以下、性能検査指針に関して当社が妥当と判断し積極活用している内容、
検討が必要な内容についてその概要を述べたいと思います。
【性能検査指針について妥当と考えているところ】
目的にも掲げられている損傷事故を未然に防ぎ、
FRP製耐食機器を正常に稼働させるために損傷の程度毎に4段階に分けたことです。
これにより目視や触手等の検査であっても、
明確な指標に基づき判断できるからです。
【性能検査指針について検討が必要と考えているところ】
1番検討をしなければいけないことは、
使用する薬液等の種類・温度・濃度や設置環境により、
場合によっては検査方法の変更や、追加をする必要があることです。
特に盲点となっている配管は最重要と考えます。
今号ではFRP製耐食機器劣化損傷判定への新たな取組~耐食機器の性能検査指針から考える劣化診断についてご紹介しました。
次号メルマガでは、FRP製耐食機器劣化損傷判定への新たな取組~性能検査指針の妥当性について詳しくご紹介したいと思います。
FRPを取り扱っている方や今後取り扱いたい方にとっての一助となれば幸いです。