株式会社 FRPカジ メールマガジン
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┏┏┏┏ メッキ/表面処理設備長寿命化のための
┏┏┏┏ 補修/改修へのFRP活用の基礎知識
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2020年4月1日
第十一回:FRPを用いた改修/補修による効果
<目次> ━━━━━━━━━━━━━━━━
・「補修/改修へのFRP活用の基礎知識」
<補修/改修へのFRP活用の基礎知識> ━━━━━━━━━
前回は劣化した FRP槽 改修 /補修を目的としたFRP適用法3として、
改修案・補修案提示についてご紹介しました。
今回はFRPを用いた改修/補修による効果について前回ご紹介した、
改修案・補修案に沿って、
浸食度(劣化進行度)が浅い順から改修案・補修案の効果についてご説明します。
【目視検査で発見後の改修/補修による効果】
‐該当箇所をFRPオーバーレイにて補修後は液漏れの心配は減りますが、
別の箇所での液漏れのリスクに加え、槽自体の劣化は日々進行するので定期的な検査が必要となります。
‐目視検査で発見した箇所と別のところで液漏れが発生した場合に行う槽内全面のFRPオーバーレイ(ライニング)後は、
上記のような部分的な補修ではないため、槽自体の寿命は10年程度を確保可能です。
ただし、この寿命は内容液の種類、濃度、温度、または外的環境によって変動します。
【膜厚検査・寸法検査後の改修/補修による効果】
‐槽外は部分的にFRPオーバーレイを行い、
槽内は薬液浸食部を全てケレンして取り除いた上で、特に劣化の激しい部分に
FRPオーバーレイを行った後に全面にFRPライニニングを施します。
槽内面について全面FRPライニングを行う効果によって、
槽自体の寿命は10年から15年程度延長できます。
上述同様、寿命は内容液の種類、濃度、温度、または外的環境によって変動します。
【硬度検査後の改修/補修による効果】
ここでは腐食の進行も激しく危険も伴う状態をご説明するので、
前回のおさらいも含めてご紹介します。
‐硬度が極めて低い状態になっている場合、
マトリックス樹脂の腐食に加え、特に酸性下ではガラス繊維のCa成分が溶出することで、樹脂と繊維の界面剥離が進行した状態まで劣化が進行しています。
結果、本来のFRP材であるマトリックス樹脂とガラス繊維の複合材料ではなく、
両者の相互作用が低下した別々の材料へと変質している状態になっているため、
FRPライニングを施しても母材となるFRP強度不足のため、
ライニング保持に必要な形態維持ができません。
そこで当社独自の「FRP特殊ライニング工法」により、
既存の槽内に新規のFRP製の槽を新たに構築するという工法を採用します。
‐この「FRP特殊ライニング工法」は第6回メルマガでも詳しくご紹介しましたが、
従来の補修・改修の考えとは異なり槽の下地に依存しないという利点を生かし、
一般的な補修方法である「部分的な補修」ではなく、
「既存の槽内に新規のFRP製の槽を新たに構築する」
という斬新なコンセプトです。
これにより上述した部分的な補修のリスクである、
時間差で補修周辺箇所や別の箇所が腐食する、というリスクを回避することができます。
さらに通常のFRPライニングと比較し十分な厚みを確保することが可能であることにより、最長で15年の槽寿命延長を実現しています。
ただしこの寿命についても、内容液の種類、濃度、温度、または外的環境によって変動します。
また多くの既存設備を活用することにより、
新規ユニット設置よりも低コストかつ、
短納期での対応が可能となっています。
今回のメルマガでは劣化した FRP槽 改修 /補修を目的としたFRP適用法として、
改修案・補修案提示後の効果についてご紹介しました。
次号メルマガでは、槽設置ピット劣化の特徴について取り上げたいと思います。
設備の老朽化や更新にお悩みの方にとっての一助になれば幸いです。