株式会社 FRPカジ メールマガジン
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2026年4月1日
第六十回:FRP製品の真実~ FRP製耐食機器劣化損傷判定への新たな取組
~一般的な劣化診断と当社の劣化診断の違い
<目次> ━━━━━━━━━━━━━━━━
・FRP製品の真実~FRP製耐食機器劣化損傷判定への新たな取組~一般的な劣化診断と当社の劣化診断の違い
前回のメルマガでは、現地施工時におけるビスフェノール系ビニルエステル樹脂硬化不良の初歩的要因に関し、前々回までの発行済みメルマガ全6回の内容を総集編としてお送りしました。
今回からは、第35回から第40回までのメルマガ、
「FRP製品の真実~FRP製耐食機器劣化損傷判定への新たな取組~」
でご紹介した内容を踏まえ、診断法そのものではなく、診断の考え方と判断の分かれ目 について、数回に分けてお送りしたいと思います。
【~FRP製耐食機器劣化損傷判定への新たな取組~でお伝えしたこと】
第35回から第40回までのメルマガでは、性能検査指針の概要、妥当性、検討必要性、さらに当社独自の劣化診断法について順にご紹介してきました。
その中で、損傷の程度を段階的に整理することや、外観検査、強度試験、報告書構成などは、劣化診断を進めるうえで有益であると考えていることを述べました。
一方で、使用する薬液の種類・温度・濃度・設置環境などによっては、一般的な検査方法だけでは十分でない場合があり、特に配管などの付帯設備は盲点となりやすいことについてもご紹介しました。
今回はその続きとして、一般的な劣化診断と当社が実務上重視している劣化診断の違いについてご紹介したいと思います。
【一般的な劣化診断の考え方】
一般的な劣化診断では、白化、膨潤、ボイド、割れなど、目に見える異常の有無や程度をもとに整理していくことが多いと考えます。
これは機器の状態を把握するうえで非常に重要な出発点であり、当社においても目視検査は最も重要と考えております。
また、損傷の程度を段階的に分けて判断していく考え方は、現場での判断をそろえるうえでも有益です。
目視や触手などの検査であっても、明確な指標に基づき判断できるからです。
ただ、目視検査“のみ”という一側面での劣化診断で生じる不足は盲点かもしれません。
これが当社の重視する劣化診断との違いにつながります。
【当社が重視している劣化診断での見方】
実際の現場では、同じように見える症状であっても、
その原因や進行の仕方が“必ずしも同じ”とは限りません。
薬液の種類(酸性、塩基性等)が異なれば腐食形態は変わりますし、
温度条件、濃度条件、運転条件、設置環境、さらにタンク本体なのか、配管や継手などの付帯設備なのかによっても、見るべき点は変わってきます。
当社では、目に見える損傷だけで判断するのではなく、
・どのような条件の下で
・どのような劣化の進み方をしているのか
という点まで含めて整理することが重要であると考えています。
【劣化診断は「読み解く作業」】
劣化診断は単に損傷の有無を確認する作業ではなく、
その損傷がなぜ起こっているのか、どこまで進行しているのか、そして今後どのような不具合につながる可能性があるのかを「読み解く作業」であると考えています。
外観検査だけでは不足であれば、損傷等級の考え方の導入や、必要に応じた強度試験実施は妥当です。
しかし上記のような手段の選択ではなく、
そこに薬液条件、タンク本体・液面部・気相部・配管・継手などの部位ごとの差、
さらに表面の白化や膨潤にとどまっている段階なのか、浸透や割れを伴いながら深さ方向へ進行している段階なのか、
といった要素を加味した「読み解く作業」がなければ、実務における本当の劣化状態は十分に読み切れない場合があります。
例えば同じ“白化”であっても、
「表層の変化にとどまっている場合」
と、
「すでに薬液が内部へ浸透し、下層に影響が及び始めている場合」
とでは、意味合いは大きく異なります。
また、漏洩が確認された箇所が、必ずしも劣化の起点であるとは限りません。
こうした点まで含めて考えることが、実務上は必要です。
今号では、一般的な劣化診断と当社の劣化診断の見方の違いについて、その考え方をご紹介しました。
次号メルマガでは、薬液の違いによってFRPの劣化の見え方がどのように変わるのかについて、もう少し具体的にご紹介したいと思います。
FRPを取り扱っている方や今後取り扱いたい方にとっての一助となれば幸いです。
