株式会社 FRPカジ メールマガジン
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┏┏┏┏ メッキ/表面処理設備長寿命化のための
┏┏┏┏ 補修/改修へのFRP活用の基礎知識
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2020年1月6日
第八回: 劣化した FRP槽 改修 /補修を目的とした
FRP適用法 1 FRP槽劣化に対する対応の方向性
<目次> ━━━━━━━━━━━━━━━━
・「補修/改修へのFRP活用の基礎知識」
<補修/改修へのFRP活用の基礎知識> ━━━━━━━━━
FRPを用いた補修/改修の対象のアプリケーション例として、
前回はFRP製槽の劣化とそれによって生じる問題、
そしてそれに対する対策についてご紹介しました。
今回は劣化した FRP槽 改修 /補修を目的としたFRP適用法 1として、
FRP槽劣化に対する対応の方向性についてご紹介します。
FRP槽劣化に対する対応としてどのような対策が可能なのでしょうか。
FRPを用いた対応策として以下の方法が考えられます。
<更新>
‐新規FRP製槽ユニットに入れ替え
<補修/改修>
‐ひび割れ箇所をFRPオーバーレイ
‐槽内面全体をFRPライニング
‐FRP特殊ライニング工法
それぞれの工法について見ていきたいと思います。
<更新>
設備自体を新しいものに交換する場合の手法です。
【新規FRP製槽ユニットに入れ替え】
‐タイトル通り既存のFRP製槽ユニットを撤去して、
新規FRP製槽ユニットを設置します。
1番単純な対応方法となりますが、
既存FRP製槽ユニット撤去に伴う付帯設備撤去や改修、
並びに新規FRP製槽ユニット製作設置に伴う高コストが難点です。
また、工期が比較的長いため工場停止期間が長いなどの課題もありますが、
コストと時間の余裕がある場合においては、
設備の寿命回復には効果的な工法といえます。
<補修/改修>
現在ある設備を可能な限り活用し、設備の長寿命化を目指す手法です。
【ひび割れ箇所をFRPオーバーレイ】
‐この対応を行う場合は目に見える亀裂や漏洩箇所が限定できる場合となりますが、
実際には層間や肉眼では確認できない場合が多く、
あまり推奨できません。
しかし、ユーザー様のご要望により対応する場合は、
槽内の薬液を抜いた後に水洗浄等を行い、
当該箇所をグラインダー等によりケレンを行います。
ケレン深度にもよりますが一般的には槽内面耐蝕層となる2mm程度を
FRPにてオーバーレイします。
他と比較して低コストでの対応が可能ですが、
本工法適用については、FRP槽の劣化がそれほど進行していないことが前提となります。
【槽内面全体をFRPライニング】
‐上記のひび割れ箇所をオーバーレイする対応に近いですが、
この対応を選択する場合は漏洩箇所が確認できない場合となります。
槽内の薬液を抜いた後に水洗浄等を行い、
槽内全面をグラインダー等によりケレンを行うといった工程は部分的にFRPライニングを行う場合と同様です。
ここでもケレン深度にはよりますが、
通常耐蝕層となる2mm程度にてFRPライニングを施します。
本工法も部分的なFRPライニング同様、
FRP槽の劣化がそれほど進行していないことが条件となります。
【FRP特殊ライニング工法】
一般的な補修方法である「部分的な補修」ではなく、
「既存の槽内に新規のFRP製の槽を新たに構築する」
という新しいコンセプト工法です。
FRP層に薬液が浸透しているため、
槽内面をライニングやひび割れ箇所を補修しても、
FRP層が含有する薬液によりFRPライニングが硬化不良を起こす等、
FRP槽劣化が進行し、既述の補修/改修工法で対応できない場合に選択する手法です。
多くの既存設備を活用することにより、
新規ユニット設置よりも低コストかつ、
短納期での対応が可能となっています。
今回のメルマガではFRP槽劣化に対する対応の方向性という題目で、
当該方向性について代表的なものを紹介しました。
資金と時間の余裕がある場合は設備更新が合理的な手法だと考えますが、
基本的には補修/改修による対応が当該方向性として妥当と考えます。
補修/改修による槽劣化への対応としてはいくつか手法がありますが、
劣化状態によって選択すべき手法が異なることをご理解いただけたと思います。
次号メルマガでは劣化したFRP槽改修/補修を目的としたFRP適用法2
~目視・槽膜厚・硬度・寸法検査により劣化診断~を目的としたFRP適用法
をとりあげたいと思います。
設備の老朽化や更新にお悩みの方にとっての一助になれば幸いです。