株式会社 FRPカジ メールマガジン
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2022年12月1日
第二十回:FRP製品の真実~不適切な補修に対する自社技術を用いた緊急対応
<目次> ━━━━━━━━━━━━━━━━
・FRP製品の真実~ 不適切な補修に対する自社技術を用いた緊急対応
<FRP製品の真実~不適切な補修に対する自社技術を用いた緊急対応>
前回メルマガでは不適切なFRP補修によって生じていた問題と過酷を極める現場環境についてご紹介しました。
今回のメルマガでは不適切な補修に対する自社技術を用いた緊急対応についてご紹介します。
前回のメルマガで述べた過去に適切な補修が行われてこなかったという事実と、
正確な情報が得られなかったという悪条件が重なったことにより、
最後の砦となる槽の崩壊を防ぐ補修作業が想定をはるかに上回る過酷なものとなり、
補修作業に従事した
「人間の安全」
という最重要の部分を危険にさらすことになりました。
「人間の安全」を担保するために、
当該対応は側面と底面で異なる対応方法を採用しました。
まず、槽の側面についてはケレン後、全面にFRPライニングを施すことで対応を行いました。
これは当社での一般的な工法となります。
しかしながら、底面の補修については上記の一般工法では対応できませんでした。
残留している強酸の影響により、
FRPライニングに用いるマトリックス樹脂の硬化剤である過酸化物が失活化し、硬化不良を起こしたからです。
強酸が底面に残留していたというのは事前の情報には含まれておらず、
想定外でした。
このような困難な状況を踏まえ、
既存の構造物の中に新たな構造物を構築するという当社独自の
「FRP特殊ライニング工法」
を適用しました。
予め底面の寸法に合致するFRPライニング材を板材として準備した上で、
薬液の漏洩や浸透防止を目的とした追加のFRPライニングを行いました。
事前準備なくFRP特殊ライニング工法を適用するためのFRP板材を急遽準備できたのは、当社がFRP製品製造機能を有する工場を所有していたことにほかならず、
一般的なライニングや補修専門業者では対応できなかったと思います。
適切な情報が不足し、
現場で刻一刻と想定外のことが起こる危機的な状況の中で、
当社固有の事業体制が功を奏したとも言えます。
写真: FRP特殊ライニング工法で補修した底面
以上のような緊急対応の結果、
最低ラインとしての補修工事は完了できました。
ただし、事前に状況が把握できていた場合、
予めFRP板材を準備の上、
側面も含めてFRP特殊ライニング工法を適用したでしょう。
状況がわからない中、
手探りで補修の方針を検討、決定していったというのが実情といえます。
今回のメルマガではFRP製品の真実~不適切な補修に対する自社技術を用いた緊急対応についてご紹介しました。
次号メルマガでは、FRP製品製造の真実~硝フッ酸を用いる企業の取るべき対策について取り上げたいと思います。
FRPを取り扱っている方や今後取り扱いたい方にとっての一助となれば幸いです。