株式会社 FRPカジ メールマガジン
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┏┏┏┏ メッキ/表面処理設備長寿命化のための
┏┏┏┏ 補修/改修へのFRP活用の基礎知識
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2021年1月6日
第二十回:塗装劣化した付帯設備の改修/補修を目的とした塗装適用法3
塗膜の長寿命化について
<目次> ━━━━━━━━━━━━━━━━
・「補修/改修へのFRP活用の基礎知識」
<補修/改修へのFRP活用の基礎知識> ━━━━━━━━━
前回のメルマガでは塗装劣化した付帯設備の改修/補修を目的とした塗装適用法2として
目視による劣化診断についてご紹介しました。
今回は塗装劣化した付帯設備の改修/補修を目的とした塗装適用法3として、
塗装による改修案・補修案提示について取り上げる予定でしたが、
その前に塗膜の長寿命化を実現するための基礎的な部分をご説明します。
【塗膜の長寿命化を実現するためには】
塗膜の長寿命化の実現を考えるにあたっては、順を追って大きく分けて3つに分類した以下の工程について述べる必要があります。
塗料選定→素地調整→塗装法
各工程の概要は以下の通りです。
‐塗料選定
選定には現場の環境を把握したうえで塗料メーカーに相談をし、塗料の保証寿命期間について施主の理解を得るのが基本だと思われます。
これにより、塗料メーカーの保証が何かを施主が把握し、
当該保証期間を意識した保守点検計画を理解することが期待されます。
当然、保証期間内に問題が起これば、それは塗料メーカーの保証で対応するということになります。
‐素地調整
これらは「国土交通省 公共建築工事標準仕様書」や「(公社)日本道路協会『鋼道路橋防食便覧』」にて推奨している各種方法を参考に施工します。
塗膜の長寿命化というと塗料だけに目が行きがちですが、その基礎となる素地の状態は大変重要です。
‐塗装法
上述した素地調整同様に「国土交通省 公共建築工事標準仕様書」や「(公社)日本道路協会『鋼道路橋防食便覧』」にて推奨している各種方法を参考に施工します。
必要以上のコストダウンに応えようとするあまり上記の仕様から逸脱し、
技術的に不適切な対応を行う業者がいるという事実に目を向ける必要があります。
【塗料選定の問題点】
塗料を扱う業者は現場の環境や状況を把握の上で塗料メーカーに相談するのが一般的です。
しかし塗料が使用される環境がメッキ・表面処理工場という塩酸や硝酸などの薬品を使用する場合、塗料メーカーは、
「この塗料を使えば問題なく保証をつけます」
とはならずに、
「この塗料なら大丈夫ではないでしょうか、保証はつけられませんが」
という返答を出すことになります。
しかし、施主から
「どのくらいの期間もちますか」
と聞かれた場合、塗料メーカーは
「フッ素なら15年、エポキシなら10年」
と答えるケースが多いようです。
これはあくまでも対候性に対してであり、塩酸や硝酸などの腐蝕性ガスが存在するような環境の話ではありません。
そのため、酸による腐蝕劣化が原因として問題が起こった場合であっても、塗料メーカーの保証対応にはならないのです。
ここは材料選定において、施主に実態をきちんと理解いただく必要があります。
【素地調整の問題点】
素地調整は、塗装対象となる素地面の汚れ及び付着物を取り去り、
素地に対する塗料の付着性を確保することにより、
素地面を塗装に適した状態に調整するため塗料に先立って実施する作業のことを言います。
どんなに性能が優れた塗料を使用しても、素地調整が不適切であれば塗装直後の仕上がりが良好でないばかりか、塗装後の早い時期に塗膜剥離や素地の劣化を招くことになります。
特にメッキ・表面処理工場においては、腐蝕性のガスによって素地の劣化が進行しやすく、
発生した錆によって健全な母材としての肉厚を失う状態となります。
仮にその後に素地調整を行ったとしてもさらに素地自体を悪化させるという副作用が生じるのです。
上記の状態に塗装する事は、我々の身体で表すとカサブタが出来ている傷に、
上から薬を塗っていることと同じになります。
効能が届きにくい素地が不適切な状態で、その上からいくら高性能な塗料を塗っても効果が半減してしまうのです。
したがって、素地調整が塗装仕上げの良否を決定するといっても過言ではなく、塗装工事において特に重要な工程です。
【塗装法の問題点】
塗装法に関して基本は、「国土交通省 公共建築工事標準仕様書」や「(公社)日本道路協会『鋼道路橋防食便覧』」にて推奨している各種方法を参考に施工します。
上記の情報に基づき、かつ塗料メーカー仕様に準じて施工を行うのであれば、
塗装業者の裁量で多少の変更を行っても大きな問題はありません。
しかしここで忘れてはいけないことがあります。
メッキ・表面処理工場においては塗装法の前の素地調整に問題があることに加え、
塗装工程に問題がある場合があるのです。
代表的な塗装業者の問題例を挙げてみます。
施主からのコスト削減に応じるために材料のグレードを下げたり、
塗り回数を減らすというのがその一例です。
このような悪質な施工は論外ではありますが、事実として存在します。
施主からあまりにも理不尽なコストダウンを迫られ、
その後の受注に影響があると考える業者を思うと単純に悪質では片づけられない気持ちになります。
素地調整や塗装を行う業者には技術に対して真摯な作業が求められるのは言うまでもありませんが、
施主もコストだけを重視せず、より長期的視点を踏まえ、技術的に必要なことを作業として行うことについて理解する、
という業者と施主間の相互理解というものが必要であるといえます。
上記のような業者側の基本技術に真摯な対応と、本対応に対する施主の理解こそが、
結局のところ塗膜の長寿命化を実現する万能解といえるのです。
今回のメルマガでは塗装劣化した付帯設備の改修/補修を目的とした塗装適用法3として、
塗膜の長寿命化を実現するための要点についてご紹介しました。
次号メルマガでは、塗装劣化した付帯設備の改修/補修を目的とした塗装適用法4として、
塗装による改修案・補修案提示について取り上げたいと思います。
当社では「改修/補修工事の前段階での劣化診断」に関する高まるニーズにお応えすべく、
当社R&Dセンターの技術相談事業にて対応させていただいております。
設備の老朽化や更新にお悩みの方にとっての一助になれば幸いです。