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第九回:   FRP槽改修/補修を目的としたFRP適用法2  目視・槽膜厚・硬度・寸法検査により劣化診断

株式会社 FRPカジ メールマガジン

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┏┏┏┏ メッキ/表面処理設備長寿命化のための

┏┏┏┏  補修/改修へのFRP活用の基礎知識

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2020年2月3日

 

第九回:FRP槽改修/補修を目的としたFRP適用法2

目視・槽膜厚・硬度・寸法検査により劣化診断

 

 

 

<目次> ━━━━━━━━━━━━━━━━

 

・「補修/改修へのFRP活用の基礎知識」

 

 

 

<補修/改修へのFRP活用の基礎知識> ━━━━━━━━━

 

前回はFRP槽劣化に対する対応の方向性として、

更新、改修/補修方法についてご紹介しました。

 

今回は劣化した FRP槽 改修 /補修を目的としたFRP適用法2として、

目視・槽膜厚・硬度・寸法検査による劣化診断について

ご紹介します。

 

 

 

今回ご紹介する劣化診断の対象はメッキ槽に限らず、

FRP製品全般に共通の診断となります。

 

 

【目視検査】

 

目視検査はどの分野においても製造工程や出荷工程等に必要不可欠な方法の一つですが、

劣化診断においても1番大事な方法と言えます。

理由は簡単で、正常なFRP材を用いた新規成形物を日々製作するにあたり、

FRP材料や当該成形体を目視する機会によって培われた経験を通じ、

正常なFRP成形体とは何かということについて目と脳に焼き付いているため、

目で見たFRP材料の状態によって劣化状態を判定できるということが背景にあります。

 

FRP材質を目視した際に感じる感覚的な相違が劣化診断の基本ですが、

数値化が困難な場合も多い劣化を検知するために有力な手法の一つです。

 

 

【膜厚検査】

 

FRP材質の膜厚を計測するための機材にて、

薬液を抜いた状態のFRP槽接液面を計測します。

目的は数か所の計測結果のバラつき、

当該槽製作図面での設計厚みとの比較により腐食度合いを判断します。

 

劣化の進行に伴い、FRP成形物の厚みが低下する特性を応用しており、

厚みという数値を判定に用いるため定量的な診断が可能です。

 

 

【硬度検査】

 

GFRPの品質管理で多く使用される測定方法です。

当社ではバーコール硬度計によりバーコール硬さを計測し、

計測最大値を読取ります。

これにより新規に製作した際の基準範囲よりどの程度下回っているかで、

腐食度合いを定量的に把握します。

硬度が低いということはマトリックス樹脂が溶解し、

ガラス繊維の比率が高まっていることを示唆しています。

 

正常時バーコールは35~50ですが、

15以下の値ですと危険信号となります。

 

腐食が激しい場合は0の値を示す場合もあります。

 

 

【寸法検査】

 

この検査ではFRP成形体図面と比較し、実測との寸法差異を検査します。

図面がない場合も目視検査同様に人間の感覚的に当該FRP成形体を目視して形状の変形や歪み等の変化を読み取り、

数か所の寸法を計測して差異を把握することで、

劣化による形状変化を検知することを目指します。

 

 

 

上述した検査を行う事による劣化診断は、

FRP成形体に関する劣化状態の早期の把握につながることから、

必要に応じた迅速な対応を行えばメッキ/表面処理設備長寿命化が可能になるアプローチのひとつと考えます。

 

定期的なメンテナンスの一部として劣化診断を組み入れることで、

液漏れや腐食によるライン停止、操業停止を未然に防ぎ、

長い目で見たコスト削減になります。

 

当社では「改修/補修工事の前段階での劣化診断」に関する高まるニーズにお応えすべく、

当社R&Dセンターの技術相談事業にて対応させていただいております。

 

 

次号メルマガでは劣化したFRP槽改修/補修を目的としたFRP適用法3

改修案・補修案提示をとりあげたいと思います。

 

 

 

設備の老朽化や更新にお悩みの方にとっての一助になれば幸いです。