FRP製塩酸貯蔵タンクの改修/補修

FRPの判断が求められる現場に、経験と技術根拠を。

FRP製塩酸貯蔵タンクの改修/補修

FRP製塩酸貯蔵タンクでは、
液に接している部分だけでなく、天井部や液位より上の側板にも注意が必要です。

塩酸は揮発性が高く、タンク内部の気相部は長期間にわたり
塩化水素を含む腐食性ガスにさらされます。
そのため、外観だけでは分かりにくい状態で
FRPの劣化や強度低下が進行している場合があります。

FRPカジでは、塩酸タンク特有の劣化傾向を踏まえ、
新規更新を決める前の劣化診断から、
補修・改修、施工まで
対応しています。

塩酸タンク特有の重要リスク

天井部の劣化を、外観だけで判断しない

FRP製塩酸貯蔵タンクでは、
天井部や上部側板が長期間にわたり腐食性ガスにさらされることで、
樹脂とガラス繊維の剥離などが生じ、
強度が低下する可能性があります。

厚生労働省の資料では、
FRP製塩酸タンクの上部・天板が破損し、
作業者がタンク内部へ墜落した死亡災害が報告されています。


点検や作業のために、状態が確認されていないFRPタンクの天板へ直接乗らないでください。


厚生労働省「塩酸タンクに関する過去の労働災害の事例と対策」

FRP製塩酸貯蔵タンクの天井部崩壊事例
塩酸貯蔵タンクの天井部崩壊の事例

FRP塩酸タンクの更新前診断

劣化していても、直ちにタンク全体の更新が必要とは限りません。

塩酸による劣化が確認された場合でも、
タンク全体が同じ程度まで劣化しているとは限りません。

FRPが広範囲に崩壊している、
補強材まで大きく損傷しているなどの状態でなければ、
劣化部を適切に除去し、
再積層、補強、内面ライニングなどを行うことで、
新設時に近い機能まで回復できるケースがあります。

重要なのは、
「古いから交換する」
「劣化しているから廃棄する」
と先に決めるのではなく、
どこまで健全部が残っているのかを確認することです。

[安全性]

天井部・上部側板を含め、継続使用できる状態かを確認
[総コスト]

新規タンク製作だけでなく、撤去・搬出・搬入据付・配管・架台・設備停止まで含めて比較
[環境負荷]

健全部を生かし、まだ使える設備全体を廃棄しない方法を検討


塩酸タンクの更新・廃棄を決める前に、まず劣化診断を。

FRPカジでは、
「どこが危険なのか」と同時に
「どこまで設備を生かせるのか」
を確認します。

FRP製塩酸タンクでは、なぜ天井部・上部側板が重要なのか

液面より上の気相部は、
塩化水素を含む腐食性ガスに長期間さらされます。

そのため、液中にある側板や底板だけを見て
タンク全体の状態を判断することはできません。

特に確認したいのは、

天井部、液位より上の側板、
ノズル周辺、ブラケット・補強部など

です。

FRP製塩酸貯蔵タンクの天井部劣化
FRP製塩酸貯蔵タンクでは天井部・気相部の確認が重要です

このような状態・ご相談に対応します

天井部の状態が分からない

長期間使用しているが、
天井部や上部側板の診断を行ったことがない。

変色・白化・剥離がある

表面の変色、白化、膨れ、剥離、
ガラス繊維露出などが確認されている。

漏れ・にじみがある

ノズル、側板、底部などから
にじみや漏えいが確認されている。

更新か補修か判断したい

新規更新を進める前に、
既存タンクを補修・改修して継続使用できるか確認したい。

FRP製塩酸貯蔵タンクで特に確認する箇所

天井部
硬度・膜厚・表面状態
液位より上の側板
気相部側板の劣化進行
内面・外面
クラック・剥離・浮き・変色
ノズル・接合部
局部的な損傷や漏えい
ブラケット・補強部
オーバーレイ部や補強構造
全体膜厚・硬度
健全部との差を含めて評価

FRP製塩酸貯蔵タンクの劣化診断

診断・検査は、
JIS K 7012「ガラス繊維強化プラスチック製耐食貯槽」
に基づいて行います。

1

天井部の硬度・膜厚診断

槽設置から5年以上経過している場合、
または目視・触診などで危険性があると判断した場合は、
適切な足場を確保したうえで診断します。

2

側板の硬度・膜厚診断

運転時液位より上の側板を対象に、
硬度と膜厚を確認します。

3

内面・外面の目視検査

割れ、クラック、ひび割れ、
剥離、浮き、変色などを確認します。

4

膜厚検査

設計図面や健全部と比較しながら、
膜厚の状態を確認します。

5

硬度検査

外観や膜厚の確認結果を踏まえ、
必要箇所の硬度を確認します。

6

ブラケット・補強部の確認

オーバーレイ部の浮きなどの劣化状態と、
数量・形状など設計上の問題を確認します。

7

検査成績書の作成・提出

診断結果を整理し、
FRPタンク劣化診断の検査成績書として提出します。

8

必要箇所の補修・改修

診断結果に応じて、
劣化部除去、FRP再積層、補強、
内面ライニング、部品交換などを行います。

9

施工結果報告書の作成・提出

施工内容と結果を整理し、
報告書として提出します。

塩酸タンクの診断例

特に天井部や上部側板について、
外観だけではなく硬度や膜厚を確認し、
補修・改修の必要性を判断します。

FRP製塩酸貯蔵タンク天井部の硬度検査
塩酸貯槽 天井内面部の硬度検査

劣化部だけを直すのではなく、今後の使用条件まで考えて改修します

FRP補修では、
劣化した表面の上から単純にFRPを重ねればよいとは限りません。

劣化状態を確認し、
必要な範囲まで劣化部を除去したうえで、
使用薬液、濃度、温度、構造、今後の使用条件などを考慮し、
再積層や補強方法を検討します。

劣化部の除去
FRP再積層
局部補強
内面ライニング
ノズル周辺補修
ブラケット・部品交換

新規更新では、タンク本体以外の費用も発生します

FRP製塩酸タンクを新規更新する場合、
比較すべきなのは新しいタンク本体の価格だけではありません。

既設タンクの撤去・搬出
新規タンクの搬入・据付
配管・バルブ類の撤去・復旧
架台・支持部材の変更
足場・クレーン等の仮設
設備停止に伴う影響

劣化診断によって既存タンクを補修・改修できると判断できれば、
更新全体で発生する総コストを抑えられる可能性があります。

よくあるご相談

FRP製塩酸タンクは何年で交換する必要がありますか?

使用年数だけで一律に交換時期を判断することはできません。

塩酸濃度、温度、設置環境、積層仕様、
気相部の状態などによって劣化状態が異なるため、
現在のタンクを診断して判断します。

天井部の見た目がきれいなら問題ありませんか?

外観だけでは判断できません。

塩酸タンクでは気相部が長期間腐食性ガスにさらされるため、
天井部や上部側板について、
必要に応じて硬度・膜厚なども確認します。

塩酸タンクが劣化していたら交換するしかありませんか?

必ずしもそうではありません。

広範囲に崩壊しているなどの状態でなければ、
劣化部を除去し、
再積層・補強・内面ライニングなどによって
既存タンクを生かせるケースがあります。

まだ漏れていませんが、診断だけできますか?

はい。劣化診断のみでも対応しています。

むしろ漏えいが発生する前に状態を確認することで、
補修・改修を含めた選択肢を残しやすくなります。

更新か補修か判断してもらえますか?

はい。
劣化状態、健全部の残存状況、使用条件などから、
補修・改修で継続使用するのか、
更新を優先するのかを整理します。

補修と更新ではどちらが安くなりますか?

状態によって異なりますので、
補修が必ず安いとは限りません。

ただし更新では、
新規タンク製作だけでなく、
既設設備の撤去・搬出、搬入・据付、
配管や架台の復旧、重機、設備停止なども発生する場合があります。

そのため、
更新全体の総コストで比較することが重要です。

補修・改修によって環境負荷も減らせますか?

健全部を生かして既存タンクを継続使用できれば、
タンク全体の廃棄を避けられる可能性があります。

廃棄物の削減や、
新規設備製作に必要となる材料使用を抑えることにもつながります。

FRP製塩酸タンクの更新を決める前にご相談ください

更新か補修か決まっていない段階でも問題ありません。
まず現在の状態を整理します。

タンク容量、塩酸濃度、使用温度、
使用年数、現在確認されている症状などを
分かる範囲でお伝えください。

FRPカジ 本社
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