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第十八回:塗装劣化した付帯設備の改修/補修を目的とした塗装適用法1 改修/補修の方向性    

株式会社 FRPカジ メールマガジン

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┏┏┏┏ メッキ/表面処理設備長寿命化のための

┏┏┏┏  補修/改修へのFRP活用の基礎知識

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2020年11月4日

 

第十八回:塗装劣化した付帯設備の改修/補修を目的とした塗装適用法1

改修/補修の方向性

 

 

 

<目次> ━━━━━━━━━━━━━━━━

 

・「補修/改修へのFRP活用の基礎知識」

 

 

 

<補修/改修へのFRP活用の基礎知識> ━━━━━━━━━

 

前回のメルマガでは付帯設備塗装劣化の特徴についてご紹介しました。

 

 

今回は塗装劣化した付帯設備の改修/補修を目的とした塗装適用法1として、

代表的な劣化の特徴の事例と、改修/補修の方向性について取り上げたいと思います。

 

 

下記に代表的な付帯設備の塗装劣化の特徴と、それぞれの改修/補修に関しての方向性について述べます。

 

 

【塗装劣化の特徴】

 

‐塗装の錆・剥離:

塗装そのものや塗装の下地である金属の錆や腐食などにより、塗装が母材から浮いて剥がれ落ちます。

この劣化は、酸や塩を含む蒸気や溶液にさらされる部分で特に多く確認されますが、

ホイスト等の駆動設備がある場合、その駆動振動で誘発されることが多いことから、

当該設備近辺で生じやすい傾向にあります。

また、塗装が剥離すると塗装そのものが落下することに加え、

塗装の破片が駆動設備の駆動部に入り込むことにより、ホイストなどが動作しなくなるといった駆動障害が起こることもあります。

 

 

‐金属構造部材の変形や落下:

上述したように錆や剥離を繰り返すと塗装と母材の間に錆のミルフィーユができます。

この状態は非常に危険です。

工場において下から見上げるような目視確認では、最上層部の塗装は残っているため劣化が見逃されてしまい、

結果としてメンテナンスが先延ばしにされてしまうケースが多いためです。

ミルフィーユ状に劣化しているということは、

母材の鋼材が徐々に厚みを減らし構造材料としての強度や剛性を失う状態にあるため、

ホイストなどにより重量物を上げ下げする繰り返し運動により、

肉薄箇所に疲労が蓄積して、変形に加え、最悪の場合、設備ごと落下するという事象を引き起こします。

 

 

 

【塗装劣化に対する改修/補修の方向性】

 

溶融メッキ工場、電気メッキ工場、表面処理工場で使用する薬品や温度、濃度、

他にも工場の広さや高さ、スクラバーを含めたガス除去システムにより差異はありますが、

塗装劣化の状態は同じだと思います。

 

上記の背景にあるのは、画一化された塗装に対する考え方に起因していると考えられます。

 

設計段階で付帯設備の塗装にはエポキシ系強溶剤を用いるケースが多く、

コストに余裕がある場合に限りフッ素系塗装を施すというのが一般的です。

 

しかし、上記のような塗装に対する考え方についての技術的裏付けは不十分であり、

上述した塗料以上の耐薬品性を示す塗料がないという、

固定概念によるものが支配的というのが実情です。

 

このような背景もあり、施主側は

 

「フッ素塗装は最強」

 

と思い込んでいるケースがほとんどです。

 

しかし塗料メーカーが、腐食性ガスがある環境での耐久性保証をつけることはほとんどありません。

 

俗にエポキシ塗装10年、フッ素塗装15年と言われていますが、

これは私の知る限り耐薬品性にではなく、

対候性に関してのみに適用する常套句です。

 

 

以上のように、一般論で塗装劣化に対する改修/補修の方向性を検討することは大変危険です。

 

 

それでは、塗装劣化に対しどのような対策が正しいといえるのでしょうか。

 

現状で最も推奨できる塗装劣化に対する対策は、

「FRPライニングを付帯設備に施す方法」です。

 

 

付帯設備について、例えば柱や梁、天井などにFRPライニングを施すには、

当該箇所をケレンしてガラスマットやガラスクロスを1枚ずつ手作業で貼り付ける必要があります。

しかし、H鋼や角パイプに貼り付ける際、FRPとの接着性が低いため、

ライニングしたFRPの剥離リスクが高く、工期が伸び、コストも膨れ上がります。

 

これに対し、当社の

 

「FRP特殊塗装工法(R)」

 

は上記の問題解決に効果を発揮します。

 

上記の特殊塗装工法にて施工する場合、

ビス系ビニルエステル樹脂を主成分とするマトリックス樹脂に、

強化繊維であるガラス繊維を組み合わせることで、

材料そのものの機械特性、物理特性を向上させるということがその狙いにあります。

 

上記の特殊塗料は樹脂と強化繊維が混在しているためFRPライニニングに近い状態になり、

結果として塗料の機械特性、物理特性が向上することから、

塩酸・硝酸・水洗いでの高塩分蒸気にも高い耐薬品性を発揮します。

 

当社の実績ベースでも、5年前に当該工法で施工した塗装箇所が、

酸や高塩分蒸気が存在する悪環境下にさらされているにも関わらず、

顕著な劣化現象は確認されておりません。

 

 

以上の通り、塗装劣化の改修/補修には塗料とFRPを併用するFRP特殊塗装工法(R)が最も望ましい方向性と考えます。

 

 

 

次号メルマガでは、塗装劣化した付帯設備の改修/補修を目的とした塗装適用法2として       目視による劣化診断について取り上げたいと思います。

 

 

 

今回のメルマガでは塗装劣化した付帯設備の改修/補修を目的とした塗装適用法1として

改修/補修の方向性についてご紹介しました。

 

 

 

当社では「改修/補修工事の前段階での劣化診断」に関する高まるニーズにお応えすべく、

当社R&Dセンターの技術相談事業にて対応させていただいております。

 

 

 

 

設備の老朽化や更新にお悩みの方にとっての一助になれば幸いです。